株式会社いろどり | マネージメントオフィス桜田
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株式会社いろどり

徳島県の上勝町に、株式会社いろどりという会社があります。上勝町は、徳島市中心部から車で一時間程の場所に位置しており、人口は1,733名 843世帯(平成27年3月1日現在)、高齢者比率が51.4%という、過疎化と高齢化が進む町です。

しかし一方で、全国でも有数の地域活性型農商工連携のモデルとなっている町でもあります。1981年2月に起きた寒波による主要産業の枯渇という未曾有の危機を乗り越え、葉っぱ(つまもの)を中心にした新しい地域資源を軸に地域ビジネスを展開し、20年近くにわたり農商工連携への取り組みを町ぐるみで行っています。

1981年、局地的な異常寒波が上勝を襲い、ほとんどのみかんが枯死したため、売上が約半分となり、農業は大打撃を受けました。

この歴史的大災害を乗り切るため、軽量野菜を中心に栽培品目を増やし(1981年8品目⇒、82年14品目⇒83年24品目)、農業再編成に挑戦します。続いて季節的要因の少ない椎茸に注目し、現在の年間売上は約5億円となっています。

さらには、町の半数近くを占めるお年寄りが活躍できるビジネスはないかと模索し、”つまものビジネス“=”葉っぱビジネス“を1986年にスタートさせます。

「葉っぱビジネス」とは、”つまもの“、つまり日本料理を美しく彩る季節の葉や花、山菜などを栽培・出荷・販売する農業ビジネスのことをいいます。 当時農協職員だった横石知二氏(現・株式会社いろどり代表取締役社長)が、「彩(いろどり)」と名づけてスタートしました。現在、つまものの種類は320以上あり、一年を通して様々な葉っぱを出荷しています。

葉っぱビジネスのポイントは、商品が軽量で綺麗であり、女性や高齢者でも取り組めることです。現在の年商は約2億6,000万円で、中には、年収1,000万円を稼ぐおばあちゃんもいるそうです。

それを支えているのが、パソコンやタブレット端末で見る「上勝情報ネットワーク」からの情報です。 決まった数量を毎日出荷するのではなく、おばあちゃん達はパソコンやタブレット端末を駆使し、「上勝情報ネットワーク」から入る全国の市場情報を分析して自らマーケティングを行い、栽培した葉っぱを全国に出荷するのです。

株式会社いろどりが発信する「上勝情報ネットワーク」では、自分が町の彩部会で何番目の売上を上げているか、順位が分かるなど、農家さんのやる気を出させる工夫もされています。

高齢者や女性たちに仕事ができたことで、出番と役割ができて元気になり、町の雰囲気も明るくなったそうです。そして、「葉っぱビジネス」の仕事が忙しくなってきたため、老人ホームの利用者数が減り、町営の老人ホームはなくなりました。「忙しゅうて、病気になっとれんわ!」というおばあちゃんもいるそうです。

また、この会社では、現在、上勝町から委託を受けて、上勝町の移住・交流人口の増加、町のファンづくりを目的としたインターンシップ事業も行っています。 町内で農業や企業の体験、ボランティア活動などを通じて、町のことを知ってもらうという取り組みです。

毎年たくさんの若者が町を訪れており、2010年8月から2014年11月現在で500名以上を受入れし、約20名が町内に移り住みました。またその中には上勝町で起業し、新しいビジネスを始めた人もいます。高齢の農家さんたちも、若者達と接することで元気になり、インターンシップ研修生が来ることを楽しみにされています。

小生が考えたこの会社(サイト)の成功要因は以下の通りです。

■みかんの大打撃を機に、軽量野菜中心に栽培品目を増やした

■季節的要因の少ない椎茸栽培に注目し、通年販売を可能とした

■日本料理向けの”つまものビジネス“=”葉っぱビジネス“を着想した

高齢者や女性たちを巻き込んだ

■パソコンやタブレット端末を活用した

行政(町)と一体となって取り組んだ

感動とともに、多くの示唆に富む事例だと思います。