アイデア発想法(ブレインストーミングとKJ法)
アイデア発想法としてよく知られている手法には、以下のものがあります。
この中で、一般的によく使われている手法は以下の2つです。
■ブレインストーミング
ブレインストーミングは、アメリカで広告代理店を経営していたアレックス・オズボーンが、1930年代に考え出したアイデア発想法です。
ブレインストーミングとは、読んで字のごとく、「脳に嵐」を起こし、たくさんのアイデアを生み出すための手法です。
ブレインストーミングには、以下の4つのルールがあります。
1.批判厳禁
★アイデアが出てきた時点では評価も批判もしない
★早計に判断をして潰すと、アイデアが広がらない
☆すべてのアイデアは、何かの役に立つというスタンスで臨む
2.自由奔放
☆突拍子もないアイデアを歓迎する(発想を広げる)
★潰したり、飲み込んだりすると、ありきたりのアイデアしか出なくなる
3.質より量
☆たくさん出せば固定観念の枠がはずれる
☆アイデアを出せば出すほど、解決策への手がかりが見えてくる
☆質は量から生まれる
☆出し切ったと思ったときによいアイデアが出やすい
4.便乗歓迎
☆すでに出たアイデアに便乗し、芋づる式にアイデアを出す
☆既存のアイデアからヒントを得、アイデアを広げる
☆組み合わせや関係づけにより、独創性のあるアイデアが出やすくなる
■KJ法
KJ法は、ブレインストーミングなどによって得られたアイデアを整理し、問題解決に結び付けていくための手法の1つです。
KJ法という呼び名は、これを考案した文化人類学者の川喜田二郎氏の頭文字から取られています。
KJ法の標準ステップは以下の通りです。
第1ステップ【キーワード収集(カード記録)】
☆ブレインストーミングなどの手法で作られたたくさんのカードをバラバラに広げます。
☆バラバラなカード群の語りかけを素直な気持ちで聞き取っていく
☆内容の是非は論じないが、一部修正は可である
第2ステップ【グルーピング】
☆カードに記載された内容を見ながら、似たようなものを集め、それぞれのグループの内容を簡潔に表す見出し(表札)をつけて上に載せます。
★注意事項
①1グループのカードははじめから大きくまとめようとしない(数枚程度)
②1枚のまま残る「一匹狼」があってもよい(無理に他のグループに入れない)
第3ステップ【小グループから中・大グループへ】
☆第2ステップで作った小グループの「表札」を眺めながら、互いに親近性のあるグループを中グループにまとめます。
☆この作業を何度か繰り返し、10以内の大グループにまとめます。
★注意事項
大グループにも「表札」をつけますが、グループ分けがすべて終わってからではなく、カード全体の3分の2程度がまとまったところで、グループ分け作業と並行して「表札」作りを行うこと。
第4ステップ【空間配置】
ここからは、「論理的整理」の段階に入ります。
☆グループ間に論理的な関係性ができるように、大グループの束を並べ替えます。(空間配置)
☆配置の意味する内容を、「ストーリー」のように話せるようにするのがコツです。
第5ステップ【表札の「はらわた」を出す】
☆「空間配置」ができたら、カード束の間隔を広げ、それぞれ1段下のレベルまでほぐします。
☆その上で、もとのグループの範囲内で、親近性に注意しながら、中グループレベルの空間に、関係あり(―)の線を引きます。
第6ステップ【関係を図解する】
カードで作った「空間配置」を別の紙に写し取ります。
☆その際、グループ間の関係性を示す記号を使い、「空間配置」の論理性が分かるようにします。
☆記号の例
―:関係あり
→:原因・結果
←→:互いに因果的
>―<:互いに反対・対立
第7ステップ【テーマの選定】
いよいよ最後のステップです。
☆図を見ながら、すべてのグループの中で、どれが重要か、各自5点から1点の順で点数をつけます。(6番目以降は点数をつけない)
☆総得点がもっとも高い5つのグループを主要な研究テーマとします。
☆主に中グループ等が主要な研究項目になります。
☆「空間配置」の論理性(図解)も重要な指針を与えてくれます。
☆図解を元にして、論文や記事などに文章化していきます。
アイデア発想法や問題解決の手法はたくさんありますが、実務上はこの2つの手法に習熟するだけで十分だと思います。