モチベーション3.0
マズローの「欲求5段階説」を応用、発展させたものにダニエル・ピンクの「モチベーション3.0」があります。
マズローの「欲求5段階説」との関連で言えば、
モチベーション1.0 ・「生きるため」に行動する(生理的欲求)
モチベーション2.0 ・「報酬・メリット」が増えるから行動する(社会的欲求)
モチベーション3.0 ・「自分が好きなこと」だから行動する(自己実現欲求)
になると思われます。
さらにダニエル・ピンクは、「外発的な動機」と「内発的な動機」という観点から、以下の2つの行動パターンがあるとしています。
タイプX ■モチベーション2.0の前提となる行動パターン
・内発的欲求よりも、外発的な欲求を活力の源とする
・活動自体の満足感というより、得られる報酬と結びついている
タイプI ■モチベーション3.0の前提となる行動パターン
・活動自体からもたらされる内的な満足感と結びついている
・パフォーマンスの向上、健康の増進、全般的な幸福度の上昇につながる
そして最後に、モチベーション3.0の要素として、以下の3点を上げています。
■自律性(オートノミー)
人間は本来、は自律的であり、自己決定的である
自律性における4つのT
□Task ・自分の作ろうとするものは、自分で決める
□Time ・「多くの時間をかける」から「問題を解決する」へと変える
□Technique ・状況をモニタリングしない ・在宅勤務を認める
□Team ・自分と働きたいと思う仲間を集めなければならない
■熟達(マスタリー)
マスタリーはフローで始まる
マスタリーはマインドセットである
マスタリーには、努力、根性、意図的な訓練が必要となる
マスタリーは漸近線である。
※フロー
本質的に、自分の能力と整合している経験
・やらなくてはならないことと、できることがピタリと一致している
・現在の能力より一段高いレベルの努力を無意識にしている
・目標がはっきりしており、フィードバックがすぐに返ってくる
※マインドセット(心の持ち方)
・人は知能に関して、2つの異なる観念を抱いている
・固定的知能感(もともと限られた量しか備わっていない)
・拡張知能感(最終的には努力によって伸ばすことができる)
■目的
モチベーション3.0では、目的を、目標、指針に分解する
自らの欲求を自分以外のより大きな目的に結びつける
利益を否定はしないが、「目的の最大化」を同じくらい重要視する