ロングテール
一般的な商品販売では、「80対20の法則」(パレートの法則)が成り立つことが知られ、「ABC分析」などを行って売上下位のアイテム(死筋商品)は定番からはずすなどの処置がなされてきました。
これには、売場面積やバックヤードなどの物理的制約があり、限られたアイテムしか置けないということと、ある程度の回転率がなければコスト的に見合わないという理由があったからです。
しかしながら、ネット書店のアマゾンが登場したときには世界中が驚きました。アマゾンの最大の強みは、その膨大な在庫量で、どんなに売れていない本でもカバーできるという点にありました。
出版業界を例に、「パレート図」を描けば概ね以下のようになります。
もともと書店の売上の大半は、年間数十点のベストセラーで占めています。
したがって、このベストセラー作品を中心に、ある程度の回転が見込めるものまでしか在庫ができないというのが一般的な書店のありようでした。
しかしながらアマゾンは、郊外に在庫を置くための大きな倉庫を用意し、ネット上の店舗としましたので、電子書籍も含めれば、ほぼ無限といってもいいほどの在庫を持っています。
したがって、年間ほんの数冊しか売れない大量のマイナー作品の販売も可能としました。
ロングテール(長い尻尾)の戦略的な意味合いは、「ベストセラー1タイトル100万部と、年間1冊しか売れないマイナー作品100万タイトルの売上は同じである」という考え方にあります。
ベストセラー作品を売るライバル書店は多数ありますが、300万タイトルのテール作品を売るライバルは世界中にほとんどいないと思われます。
アマゾンの登場で一躍脚光を浴びたロングテール(長い尻尾)ですが、日本の中小や小規模企業の中にも、以前からすでに実施していたところがあります。
一例を上げれば、小生のブログ、「ECサイトについて」で紹介している「カスタネット」さんも、以前から取り組んでいました。
ちなみに小生ですが、アマゾンから電子書籍を7冊発行しています。おかげさまで少しは売れていますが、もちろんロングテール(長い尻尾)です。(笑)