下請け企業が自社商品(BtoC)を開発する – マネージメントオフィス桜田
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下請け企業が自社商品(BtoC)を開発する

前回は、これから考えるべき経営戦略の方向性として、以下の3つの方向性(5つの打ち手)を紹介しました。
1.既存商品の売り方を変える
2.新商品(サービス)を開発する
①下請け企業が自社商品(BtoC)を開発する
②従来にない新商品(サービス)を開発する
3.新しいビジネスモデルを構築する
①従来からのチャネルを短縮する
②ソーシャルビジネスを立ち上げる
今回はこの中から、2.①下請け企業が自社商品(BtoC)を開発するという戦略で成功している企業の一例を紹介をします。横浜市にある株式会社ニットーという会社です。
 
公開資料を精査した結果の小生の考察の骨子は以下の通りです。
■企業概要
・創業48年の金型メーカー
・現会長が創業者
・100%下請けの町工場であった
■現社長(会長のご子息)の経営革新
1.本業の拡充
  ・市内で廃業する製造業3社を友好的M&Aにより併合(雇用を維持)
  ・新工場に機能を統合し、設計から試作、量産加工までの一貫生産体制を
2.全日本製造業コマ大戦協会の設立と運営に参画
   コマ大戦開催の狙いは、異業種や同業者の連携(営業協力、技術協力)
■BtoC分野への進出(大手に頼ることなく生きていけるように)
1.初の自社商品となるアイフォーン用「トリックカバー」を開発
  ・購入型クラウドファンディングの活用(支援者200人、支援額132万円)
・SNSの活用(寄せられた声を参考に、製品機能や使い勝手を改良)
2.自社のサイトで発売
  ・消費者の声を参考に、4,800円で発売(現在の「5」向けは3,300円)
・これまでに12,000台以上を販売したヒット商品になっている

現在、この商品はプロ野球広島東洋カープの公式グッズにも採用されています。

小生は、中小製造業(下請け企業)の今後の生き残り策として、1つの典型となる事例と考えています。

2015/06/24